2021.08.24 BLOG
新型コロナのワクチンは何種類?現状で使用できるワクチンと今後使用が期待されるワクチンについて
2021年の春先から開始された新型コロナウィルスのワクチン接種は徐々に進んでいる最中ですが、未だに感染者の増加が止まらず、新たな【デルタ株】の出現等、未だに予断を許さない状況が続いています。
感染者増加の原因の一つとして挙げられるのが【若年層のワクチン接種拒否】でしょう。
副作用の心配からか、学生や20代の方の接種が思うように進まず、その20代~30代が爆発的に感染者として増加しています。今回はそもそものワクチンの種類と現在国内で接種出来るワクチン、今後使用が期待されるワクチンについて解説していきます。
ワクチン技術
ワクチンと一言で言っても、実は様々な技術によって使用する病原体が違います。
簡単ではありますが、まずはそちらの解説をしていきましょう。
①弱毒化
生きている病原体を接種する事で免疫反応を起こすもので、1回の接種で持続性のある免疫を付けることが出来ます。
稀に免疫を付けたい病気の軽い症状が現れます。麻疹やポリオのワクチンが代表例です。
②不活化
熱などを用いて病原性をなくしたものを免疫原としており、病原体の形を保ったままの【全粒子ワクチン】と精製した【スプリットワクチン】に分類されます。
免疫反応は弱いので免疫賦活剤を使って強化する必要があります。インフルエンザワクチンや日本脳炎ワクチンが代表例です。
③トキソイド
毒素を取り出し、無毒化したものを言います。
接種すると免疫自体が【毒素を中和する抗体】となるので、毒素を出す病気に有効です。
破傷風やジフテリアなどのワクチンが代表例となります。
④組換タンパク
抗原タンパク質を酵母等で大量生産し、免疫賦活剤で強化するものですが、この技術を用いる場合は病原体のタンパク質を特定する必要があります。
新型コロナウィルスのワクチンは殆どがこの組換タンパクを使用していますが、他にはB型肝炎のワクチンが代表例です。
⑤ウィルスベクター
弱毒化又は不活化したウィルスを利用し、外来タンパク質を作る技術です。
体内に接種しても発症する事はなく、従来のものよりも強い細胞性免疫を誘導可能です。エボラウィルスのワクチンが代表例です。
⑥DNA
免疫を誘導したいプラスミドを利用します。
安定的な精製が可能ですがタンパク質を作る上での転写・翻訳が必須となり、目的のものでないものが精製される可能性があります。
新型コロナウィルスのワクチン開発でも用いられていますが、その他にSARSやジカウィルスワクチンなどが代表例です。
⑦mRNA
人体では精製出来ない病原体が保持する外来タンパク質の遺伝情報をもつRNAを利用します。
このRNAが病原体まで届き体内で免疫反応が発生する事で抗体を産む技術です。
生産スピードとコスト面から、新型コロナウィルスのワクチン開発で初めて実用化されていますが、-80℃での保管が必要なワクチンです。
上記7種の分類されたワクチンは1つでの接種や複数を組み合わせての接種をすることで体内に抗原を作り、様々な病原体と戦う事が可能となります。
よく耳にするニュースで【冷凍庫の温度管理不足によりワクチンが破棄される】というのを聞いたことは無いでしょうか?
これは⑦の【mRNAワクチン】が-80℃以下でないと壊れてしまい、ワクチンとしての利用が不可能になるためです。
現在接種可能なワクチン
現在新型コロナウィルスのワクチンとして使用が許可されているのは全部で4社が開発したワクチンとなります。
①ファイザー社
mRNAを用いたワクチンを開発し、イギリスやヨーロッパ、アメリカでの使用を皮切りに国内でも使用が許可されているワクチンです。
未発症者の有効率は2021年4月現在92.6%と高い評価となります。また、現在主流になっている【デルタ株】に対しても88.0%の有効率との事です。
②モデルナ社
こちらもmRNAを用いたワクチンを使用しています。
ファイザー社同様ヨーロッパやアメリカで承認され、国内でも接種が可能となりました。
イギリスで確認された【アルファ株】には94.1%の有効率でしたが、【ベータ株】【ガンマ株】ではそれぞれ有効率が6/1と3/1に低下しています。
ですがワクチンとして必要なレベルは上回っているようです。
③アストラゼネカ社
こちらはウィルスベクターを用いたワクチンを使用しています。
未発症者に対しての有効率は70.4%、【デルタ株】に対しても67.0%の有効率とされており、特徴としては1度の接種でワクチン接種が完了する点でしょう。
④ジョンソン&ジョンソン社
こちらもウィルスベクターを用いたワクチンを使用しており、アメリカやヨーロッパでの承認を経て国内での接種も可能となりました。
ワクチンの有効率は60%を超えていますが、一方で血栓の発症が確認されています。
ですが2021年4月23日に『ワクチン接種による利益はリスク以上』との判断で血栓症対策の周知を行い、接種が再開されています。
①、②、④の3社は2回の接種となり、③のみ1度の接種となります。
また、1度目と2度目は『同じワクチンの方がいい』という声と『違う会社のワクチンが
いい』という声があるのが現状です。実際にイギリスでの実験で、1回目と2回目で別会社
のワクチンを接種しても高い免疫機能が確認されています。
現在開発が進んでいるワクチン
ワクチン開発には途方もない時間と緻密な計算が必要です。現在でも開発が進んではいま
すが、実際に使用するとなると各国の規制当局の承認が必要です。その認証を得る為にも大
きく分けて4つの段階の【臨床実験】を行います。
非臨床試験でマウス等の動物実験が行われ免疫源の変化を確認します。
第Ⅰ相臨試験で初めて少人数の人体に接種し、免疫反応が発生するのかどうかという点と
安全性や許容量、摂取量を確認します。
第Ⅱ相臨試験において年齢別に数百人規模のグループに分けて接種し、年齢における変化
と第Ⅰ相臨試験同様に安全性を確認します。
第Ⅲ相臨試験で大人数にワクチンの接種を行い、【プラセボ群(被験者の想像による影響をなくす為、試験物質以外の人体に影響の少ないものを接種して試験結果が思い込みでないことを確認する為のグループ)】に対しての感染率と合わせて有効率や副作用を確認します。
この4段階を経て、初めて【承認】をもらうことが出来ます。
現在国内では7社がワクチン開発を行っており、サノフィ社が最終段階に、ノババックス・
メディカゴ・アンジェスの3社が現在第Ⅱ相臨試験と第Ⅲ相臨試験を行っています。
各社のワクチン種は以下の通りです。
①アンジェス社
DNAワクチンで2回の接種となる予定。現在は第Ⅱ相臨試験、第Ⅲ相臨試験を実施中。2022年以降に実用化される見通し。
②ノババックス社
組換タンパクワクチンで2回の接種となる予定。
現在は第三相臨試験を国内にて実施中。薬品会社大手の【武田薬品】が販売する予定。
③メディカゴ社
組換タンパクワクチンで2回の接種となる予定。
現在は第Ⅲ相臨試験を国内で実施中。今年の夏には最終治験を開始する見込みで、早ければ2024年までに10億回分のワクチン供給を目指している。
④塩野義製薬社
組換タンパクワクチンで2回の接種となる予定。
現在第Ⅰ相臨試験と第Ⅱ相臨試験を実施中。供給未定。
⑤サノフィ社
組換タンパクワクチンで1~2回の接種となる予定のものとmRNAワクチンで1~2回の接種となる予定の2種開発中。
組換タンパクワクチンは第Ⅱ相臨試験を終え、早ければ2021年末に実用化される見込みで、mRNAワクチンは第Ⅰ相臨試験と第Ⅱ相臨試験を実施中。
供給時期は未定。
⑥第一三共社
mRNAワクチンで2回の接種となる予定。
現在は第Ⅰ相臨試験と第Ⅱ相臨試験を実施中。供給時期は未定。
⑦KMバイオロジクス社
不活化ワクチンで2回の接種となる予定。
現在は第Ⅰ相臨試験と第Ⅱ相臨試験を実施中。供給時期は未定。
この7社以外にも国外では中国やアメリカ、イタリアなどでもワクチン開発が進んでおり、
早ければ2021年の末には新たなワクチンが承認されるのではないでしょうか。
国産ワクチンがない日本は今現在すべてを輸入に頼っていますが、国内生産が可能になれ
ば、今以上の供給率と接種率になり、今後は従来のインフルエンザワクチンのように、生
活の中で自然に感染したとしても当たり前にワクチンが接種出来る日がくると予想されま
す。
ですが、現在の日本はワクチン開発が遅れているのも現状です。それはワクチンの接種に
対する【正しい副反応の知識】が無い点と、【接種を巡る訴訟が続いたため】という見解
をされる専門家もいらっしゃいます。
様々な憶測や噂が飛び交う中でのワクチン接種ですが、しっかりと研究された結果があり
ますので、未だに接種されていない方は今一度検討されてみてはいかがでしょうか。
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製品情報
- 本製品で測定されるものは体表温であり、一般的な体温計で計測される体温とは異なります。また計測によりウィルスの感染を判断するものではありません。
- 本製品によるスクリーニングで発熱の疑いが出た場合、体温計での再検温を推奨いたします。発熱が確認された場合別途、医師の判断を仰いでください。
- 本製品は、薬事認証を取得した医療機器ではありません。
- 本製品を用いた診断などの医療行為にはご利用頂けません。
イベントなどを開催予定のお客様は是非ご活用下さいませ。