2023.02.12 大阪万博

大阪万博(大阪・関西万博)はいつ?開催場所は?開催の目的や見どころを紹介

 

2025年に開催される大阪万博。「2025年日本国際博覧会」が正式名称で「大阪・関西万博」が略称です。開催まで3年を切りましたが、万博といっても何をするのか、いつどこで行われるのか、など知らない人も多いと思います。

確かにオリンピックと比べると、準備の様子や内容がメディアで取り上げられることが少なく、実際に協賛する企業の方や経済関連団体の方以外は、その全貌は不明のままです。

大阪・関西万博は何か、そろそろ知りたいという方のために、発表されている資料から、基本的な開催概要をまとめてみました。

未来の夢と技術が詰まった万博をもっと知り、開催を楽しみにしてみてはいかがでしょうか。

 

大阪・関西万博の概要は?

大阪・関西万博は、正式名称を2025年日本国際博覧会と言い、2025年に開催されます。

公表されている資料を元に、大阪・関西万博についてご説明しましょう。

大阪・関西万博の開催期間

開催期間は、2025年4月13日(日曜日)〜10月13日(月曜日)の6ヵ月間です。

BIEの規定により、国際博覧会は6週間以上6ヵ月以内と決められていますので、最長の期間を設定しています。

主催者によると約2,830万人の来場者を想定しているそうです。

大阪・関西万博の会場

 

会場は、大阪港の臨海部にある埋立地、夢洲(ゆめしま)

夢洲は、大阪新都心計画「テクノポート大阪」の一端として計画されました。現在、東側の部分は、高水準のコンテナターミナルが整備され物流拠点として活用されています。

西側の海岸よりの部分が、万博の会場です。北側は大阪市が誘致を進めているIR(カジノなどの統合型リゾート)の候補地です。

大阪・関西万博会場は、広さ155ヘクタール。2020年に開催されたドバイ万博の会場面積438ヘクタールに比べると小規模ですが、東京ドーム34個分にもなります。

 

大阪・関西万博の正式名称

大阪・関西万博とは、正式名称を2025年日本国際博覧会といい、国際博覧会の開催を国際博覧会条約に基づいてBIE(博覧会国際事務局)が登録した国際博覧会です。

日本で6回目に実施される国際博覧会

大阪・関西万博は、日本で6回目に実施される国際博覧会です。

日本では、1970年に初めて日本万国博覧会(大阪万博)が開催されました。これはアジアで最初に開催された万博でもあります。岡本太郎氏による太陽の塔は、この万博の際に建造されました。

その後、1975年沖縄国際海洋博(沖縄県)、1985年国際科学技術万博(茨城県)、1990年国際花と緑の博覧会(大阪府)、2005年愛・地球博(愛知県)が開催されました。

大阪・関西万博は、それから20年ぶりの万博になります。

2027年には、横浜市で国際園芸博覧会(BIE認定)が開催される予定です。

大阪・関西万博は、2018年11月23日のBIE総会で170カ国の投票で決定しました。競合したのは、ロシア(エカテリンブルグ)、アゼルバイジャン(バクー)の2カ国。ロシアとの決選投票の末に日本(大阪)が当選しました。

 

大阪・関西万博開催の目的は?

 

さて、いよいよ2025年の大阪・関西万博について説明していきます。

大阪万博は、2020年(2021年開催)の東京オリンピック・パラリンピック大会後の日本、そして大阪・関西を持続的に成長されるための起爆剤として企画されました。

SDGsの達成・SDGs+beyondへの飛躍の機会

SDGsは、持続機的な開発目標として17のゴールと169のターゲットから構成され、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、大阪・関西万博開催の2025年は、その5年前です。万博では、参加国のSGDsの達成への進行状況や具体的な取り組み、達成に向けたアイデアなどを集約し、世界じゅうの英知を集め実現に向けた機会になることを目指しています。

Society5.0実現に向けた実証の機会

日本政府の成長戦略Society5.0は、日本の強みとリソースを活用し、誰もが活躍でき人口減少や少子高齢化、エネルギー問題、環境問題など社会課題の解決を目指す社会経済システム。

必要なのは、情報通信技術やDX、IoT、AI、ロボティクスなどの先端技術を積極的な活用です。

大阪・関西万博は、会場自体をSociety5.0実現に向けたスマート社会の実証実験の場と位置付け、新しい技術・サービスの実装を目指した挑戦を行います。

 

大阪万博のテーマとコンセプトは?

出典: 大阪府HP

 

それでは、大阪・関西万博のテーマとコンセプトを見ていきましょう。

内容は、大阪・関西万博オフィシャルサイトで公表されているものを参照しています。

※「公益社団法人2025年日本国際博覧会協会」(https://www.expo2025.or.jp/)

大阪万博のテーマテーマとサブテーマ

テーマは、

「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)」

 

テーマに込められているのは「世界の一人ひとりが自ら望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにすること、それを支える持続的な社会を国際社会が共創することを推し進める」(*1)という意味が込められているそうです。

SDGsの地球上の誰一人残さないという誓いとかかわっています。

先進国も途上国も同じように「いのち」の輝きを大事にできる世界をみんなで共創すること。企業や人々の世界とのかかわりや人と人とのつながり、助け合い方を考えていく場になることを目指しています。

このテーマには、サブテーマが3つあります。

Saving Lives (いのちを救う)

「いのち」を守る、救うことにポイントをあてるもの。公衆衛生の改善や防災の取り組みによる安全の確保、自然との共生など

Empowering Lives (いのちに力を与える)

生活を豊かにし、可能性を広げることに焦点をあてるもの。

情報通信技術を活用した質の高い遠隔教育、スポーツや食を通じて健康寿命を伸ばすこと、AIやロボティクスの活用による人間の可能性の拡張など

Connecting Lives (いのちをつなぐ)

一人ひとりがつながりコミュニティを形成したり社会を豊かにしたりすることに焦点をあてるもの。

パートナーシップ、共創、情報通信技術による新しいコミュニケーションへの進化など

人間のいのちが科学や技術によって拡張し、いのちの価値が守られる社会を実現するということを目指しています。

*1 参考: 斎藤誠一「なぜ2025年に、日本で万博を開催するのか?~デザイン視点で見えてくる大阪・関西万博の青写真~」

(https://wisdom.nec.com/ja/series/saito/2022092201/index.html#anc-01)

 

大阪・関西万博のテーマ事業の内容

テーマ事業では、いのちを考える8つの「きっかけ」を8人の日本を代表する有識者や表現者、研究者がプロデューサーとして表現します。

「シグネチャーパビリオン」「シグネチャーイベント」の2つで構成され、8人のプロデューサーは両方を、リアル会場とバーチャル会場で展開します。

テーマとプロデューサー名は次の通りになります。

 

  1. いのちを響き合わせる 「Co-being」 宮田裕章(慶應義塾大学教授)
  2. いのちを拡げる 「いのちの未来」 石黒浩(大阪大学教授、ATR石黒浩特別研究所客員所長)
  3. いのちを高める 「いのちの遊び場クラゲ館」 中島さち子(音楽家、数学研究者、STEAM教育家)
  4. いのちを磨く 「null2」 落合陽一(メディアアーティスト)
  5. いのちを知る 「いのち動的平衡 I am You」 福岡伸一(生物学者、青山学院大学教授)
  6. いのちを育む 「いのちめぐる冒険」 河森正治(アニメーション監督、メカニックデザイナー)
  7. いのちをつむぐ 「EARTH MART」 小山薫堂(放送作家、京都芸術大学副学長)
  8. いのちを守る 「いのちのあかし」 河瀬直美(映画作家)

 

大阪万博のコンセプト

出典: 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会HP

 

コンセプトは、

「People’s Living Lab 〜未来社会の実験場」

 

  1. 展示をみるだけでなく、世界80億人がアイデアを交換し、未来社会を「共創」(co-create)。
  2. 万博開催前から、世界中の課題やソリューションを共有できるオンラインプラットフォームを立ち上げ。
  3. 人類共通の課題解決に向け先端技術など世界の英知を集め、新たなアイデアを創造・発信する場に。

 

となっています。

EXPO PLL Talks

コンセプトは、現在、EXPO PLL Talksというトークイベントで議論されています。

会期以前から会期中、その後と、多種多様な専門家や有識者、実際に活動している実践者がゲストとして登場、それぞれの立場から取り組みの内容を国内外に発信イベントです。

トークには、SDGsへの取り組み、新しい働き方に向けた取り組み、アートなどが取り上げられています。

開催前から世界の人々がオンラインで結びつき、参加して、議論する場を作ることで、「共創」を実現しようとしているのです。

EXPO COMMONS

EXPO COMMONSは、万博の内容とは別のプログラムをオンライン上で展開するプラットフォームです。「Action for Lives」をテーマとして、国境や人種、文化を超えたアクションを起こす、もうひとつの万博です。

持続可能な世界を実現するにあたっての課題、現実に解決が必要な困りごと、紛争や対立、分断などの問題に対し、誰もがアクセスできる環境で解決に向けた話し合いや提案をしていくプラットフォームを目指しています。

EXPO COMMONSは、レガシーとして残し、万博をきっかけとして「共創」を推進する場として継続させるといいます。

 

大阪・関西万博の見どころ

出典: 大阪府HP

 

万博というと、やはりイベントやパビリオンが楽しみです。

最新の技術を体験でき、先進的な映像や演劇作品、そして参加型のプログラムなど魅力的なコンテンツが多数。大阪・関西ならではの企業もパビリオン出展をする予定です。

 

大阪・関西万博の民間パビリオン

出典: 大阪府HP

 

日本企業が出展する民間パビリオンでは、12の企業・団体が、今回の万博のテーマに則り展開します。

注目は、吉本興業が出展することです。テーマは、Waraii Myraii(ワライ ミライ)。

Waraiiは笑い。笑いが世界語になることを目指して、世界中の子どもたち、笑い、つながる、をキーワードとして、子どもたちが国境を越えてつながることができる笑いを表現したいとのこと。

分断と対立の世界に初対面でも仲良くなれる笑いのチカラを示していくそうです。

バンダイナムコのテーマは機動戦士ガンダム

40年前から人気の日本を代表するアニメーションの世界観を通じて、リアルとバーチャルとが連動した未来体験ができるそうです。

未来社会の課題解決、人と人とのつながりによる「共創」などがテーマとなっています。

企業・団体は、個性的で先進的なパビリオンを展開する予定ですので、楽しみにしましょう。

 

大阪・関西万博の民間パビリオン

  1. 日本電信電話株式会社「NTT PAVILION 2025 NATURAL 生命とITの〈あいだ〉」
  2. 電気事業連合会「電力館(仮称)」
  3. 住友 ECPO2025推進委員会「住友館」
  4. パナソニック ホールディングス株式会社 「パナソニックパビリオン(仮称)」
  5. 三菱大阪・関西万博総合委員会 「三菱未来館」
  6. 吉本興業ホールディングス株式会社 「(仮称)よしもとパビリオン」
  7. 株式会社パソナグループ 「PASONA Natureverse」
  8. 特定非営利活動法人ゼリ・ジャパン 「BLUE OCEAN(ブルーオーシャン)」
  9. 株式会社バンダイナムコホールディングス 「ガンダムパビリオン(仮称)」
  10. 玉山デジタルテック株式会社 「初志・創新(仮称)」
  11. 一般社団法人日本ガス協会 「ガスパビリオン」
  12. 飯田グループホールディングス株式会社 「飯田グループ×大阪公立大学 共同出展館」

 

※2023年1月26日に、大阪外食産業協会は、日本全国が世界に誇る食文化を体験してもらうとしてパビリオン出展を決めたそうです。

大阪外食産業協会は、以前資金の問題から出展を見合わせる決断をしていましたが、この度、出展規模縮小とともに整備にかかる資金の目処もたったとして、パビリオン出展を決定したそうです。詳細は今後詰めていくとのことです。

大阪市パビリオン(自治体等エリア)

自治体が出展するエリアも用意され、開催地である大阪も「大阪ヘルスケアパビリオンNest for Reborn」というパビリオンで参加する予定です。

大阪と関西の底力を活かし、「いのち」「健康」を通じた未来の暮らしを感じられる展示を行います。

各国パビリオン

万博といえば、世界の国々が創る個性的なパビリオンが魅力。

各国が自国で計画しデザインし、それぞれの最高の技術と思想を披露する場は、未来を体験できる夢ある空間となるでしょう。

現在約30の国と地域がパビリオンの出展を表明しているそうです。

各国のパビリオン建設が本格化するのは、2023年春以降の見通しとなっています。今後、具体的な内容の発表があります。

主催者催事

万博会場では、企業協賛などで行われる催事も盛りだくさんになりそうです。

大催事場では、劇場催事が行われる予定です。音楽、芸能、未来型エンターテイメントなどが予定されていて、今後、プログラムの発表が楽しみです。

また、広場などでも、祭りやパレード、音楽イベントが実施されます。

 

大阪万博を見学に行くには

出典: 大阪府HP

 

さて、ご紹介してきたように、ワクワクするプログラムやパビリオンが満載の大阪・関西万博ですが、実際に見学に行くにはどうしたら良いのでしょうか。

ここでは、チケットの入手方法や交通手段などをまとめてみます。

※下記の情報は現時点の情報ですので変更になる可能性があります。

 

大阪・関西万博のチケットは?

万博の前売りチケットは、2023年7月からの販売を予定していましたが、9月以降になる見通しです。完全無料で実施する予定だったバーチャル万博も課金方式にする案も出ています。

気になるチケット価格ですが、2022年7月の情報では、会期中1回入場可能な普通券は6,000円と考えられています。

〈チケット価格案(2022年7月現在の情報)〉

  1. 普通券 会期中1回入場可能

通常 6,000円

超早割 5,000円

早割 5,500円

  1. 開幕券 開幕〜5月2日の平日に1回 3,300円
  2. 前期券 開幕〜7月18日に1回 4,000円
  3. 平日券 平日午前11時以降に1回 5,000円
  4. 夜割券 全日午後5時以降に1回 3,000円
  5. 夏パス  7月19日〜8月31日に何度でも可 9,000円
  6. 通期パス 一部期間を除いて何度でも可 2万3,000円

 

販売方法については、紙のチケットと電子チケットが用意されます。委託販売についての説明会が2023年1月に実施されますので、今後、旅行会社やチケット会社が販売を検討することでしょう。

 

大阪・関西万博への交通手段は?夢洲の会場に行くには?

出典: 公益社団法人2025年日本国際博覧会協会HP

 

2025年の大阪・関西万博会場である夢洲(ゆめしま)

万博の動員目標は2,830万人です。1日あたりの来場者は28.5万人を見込んでいますので交通手段の整備は大切です。

万博開催に向け、大阪メトロ中央線の延伸などの計画が進行中。JR西日本も万博アクセスの整備のために、本数の増便やシャトルバスの発着駅の検討などを進めています。

大阪メトロ中央線から夢洲駅(仮称)へ

大阪メトロ中央線は、延伸して万博会場東ゲート側に、新駅夢洲駅(仮称)を開設する予定です。

こちらの鉄道はメインの交通手段となり、1日あたり11.8万人の利用を見込んでいます。

主要駅からシャトルバス

新大阪駅、大阪駅、尼崎駅、中之島駅、なんば駅、上本町駅、桜島駅、天王寺駅、弁天町駅、堺駅、関西国際空港、大阪国際空港など主要駅・空港と会場とをシャトルバスで結びます。

シャトルバスは、会場の西ターミナルに発着し西ゲートからの入場できます。

自家用車・タクシー・団体バス等

一般の自動車は、夢洲ではなく、尼崎駐車場(仮称)と、舞洲駐車場(仮称)が計画され、それら駐車場からバスが運行されます。

団体バスは西ターミナル付近に専用駐車場が用意される予定です。

大阪万博のグッズやお土産は

大阪・関西万博といえばユーモラスで個性的なロゴとキャラクターのミャクミャク。

大阪・関西万博公式ライセンスグッズとしてロゴを活かした商品が販売中です。

グッズは原材料調達のプロセスでSDGsの達成を念頭においたコンセプトラインと、日常的に使える定番アイテムを揃えたスタンダードラインが用意されています。

再生紙や再生樹脂を使ったボールペンや、ノート、エコバックなどから、ゴールドとシルバーのピンバッチ、缶バッチ、パーカー、Tシャツなどがラインアップされていて、オフィシャルサイトから通販サイトに行くことで購入できます。

リアルでは、近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店が販売を担っています。

近鉄百貨店のWEBサイトではネット通販も行なっています。

グッズコーナーとしては、通天閣や梅田スカイビル、成田空港、羽田空港、MARUZEN & ジュンク堂書店、ファミマ!!霞が関ビルディング店、ファミリーマート大阪市役所店、東急ハンズ心斎橋店・梅田店、コムマート大阪商工会議所売店、ニューオータニショップ大阪、大阪モノレールセブンイレブンモノウェル千里中央店・門真店・万博記念公園店・南茨木店、大阪モノレール エ・プロントモノウェル千里中央店などで扱っています。

※販売終了日は未定。

※現在確認できるところでは、キャラクターであるミャクミャクのモチーフにも活かされている丸いデザインを配したものがほとんどで、ミャクミャクのキャラクターグッズはありません。今後発売されたり、会場で販売されたりするのか楽しみです。

 

大阪万博についてのまとめ

「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとして、People’s Living Lab(未来社会の実験場)をコンセプトに掲げて行われる大阪・関西万博。2025年4月の開催も迫ってきています。

世界とともに未来社会を共創し、世界の課題を共有できるオンラインプラットフォームを立ち上げ、人類共通の課題解決のアイデアを発信する場を目指しています。

また、今回万博として初めて、アバターで参加できるバーチャル万博を併設。リアルとバーチャルの双方で別のコンテンツを楽しめるという画期的な万博になっています。

企業が英知を結集させたパビリオンや、8人の専門家が描くテーマ事業なども見どころ。

今後、各国パビリオンの具体的内容など新しい情報も発表されます。注目しましょう。

 

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