2021.07.14 BLOG
新型コロナ対策にはサーマルカメラで検温! サーマルカメラと小型検温機器の体温測定方法を違いと選ぶポイント!
昨今の新型コロナウィルスの影響で、広く当たり前になってきた【検温】ですが、その検温機器も様々で、大きく分類すると2種類に分かれます。
まず1つが【サーマルカメラ等の高性能機器を使用した物】、そして2つ目が【手軽で取り扱いも簡単な小型検温機器】でしょう。
今回はこの2種の機器について、それぞれの検温方法とその表示方法、機器を選ぶ際のポイントを取りまとめて解説していきます。
目次
小型検温機器の測定方法
現在流通している多くの小型検温機器は【表面温度の測定】が主な測定方法になります。
例えばガンタイプの検温機器の場合、おでこの表面温度を測定し、その結果をデジタル表記するものが殆どです。
ガンタイプの場合は【握る】【測定する】という事がメインになってきますので、【測定結果の記録】は主に人の手で行うのが一般的です。
ですが、取り扱いが非常に簡単で、どなたでも計測が可能なので記録さえしっかりと取っておけば万が一の場合にも備えられるでしょう。
また、手の表面温度を感知する検温機器もあります。
こちらもガンタイプと同様に表面温度での測定となりますが、データの記録が出来るものも存在します。この場合、殆どが外国産なので最初の表記や言語が英語の者が多い印象です。
そして日本で使用する場合には設定を【華氏】から【摂氏】に変更しなければなりません。
サーマルカメラ搭載の検温機器
まずはサーマルカメラの仕組みからご説明します。
前述した表面温度や直接接触させる温度計とは異なり、人やモノ等の【遠赤外線】を感知し、可視化しています。発している温度が上がると発するエネルギーが強くなるという特徴をもつ遠赤外線をセンサーが感知して温度を測定しているので、誤差が少ないのが特徴です。
また、感知するにあたって光源を必要としないので暗闇でも温度感知ができ、比較的離れた場所の温度変化にも対応できるので、測定距離がかなり長いことが挙げられます。
このサーマルカメラを搭載した検温器には多くの機種でカメラ+モニターが付けられています。カメラで検知した温度変化をその場でモニターに映し出し、第三者からも確認出来るというメリットがあります。また、サーマルカメラの横に光学カメラを搭載する事で【モニターに映るのは光学カメラの映像で、温度検知はサーマルカメラ】という表示方法か可能になっています。測定データの記録・保持はネットワーク上で自動管理が可能なので、万が一の時にもすぐに正確な情報が取り出せます。
このように検温器でも大きい違いがあるので機器導入の際にはどんな目的で使用するのかなどの導入理由が明確な方がいいでしょう。
小型検温機導入の際のポイント解説
さて、小型検温機器を導入する前に、メリットとデメリットをまとめておきましょう。
メリット
・取り扱い方法が比較的容易である。
・安価に手に入る。
・測定の場所を選ばない。
デメリット
・接触感染の危険性が大きい。
・あくまでも表面温度の測定なので誤差が大きい。
・測定を1人1人行うので、時間が掛かる。
・測定記録の確認はあくまでも個人単位なので、第三者からはわからない。
・測定記録のデータ保持を個々に行うので時間が掛かる。
メリットは安価で取り扱いやすく稼働する際の場所選びに苦労しない点です。
中にはAC電源を必要とするものもありますが、殆どの場合検温には電池だけで稼働します。AC電源が必要になる場合で多いのが【消毒液散布機能】が付いている場合です。
手を機器にかざすと表面温度の測定+手指の消毒を行えるものです。
デメリットとしては【ガンタイプ】のものに限り、接触感染の危険性がある事でしょう。
仮に担当者を決めて測定しているとなっても余計な人件費を掛けることになり、その計測担当者は感染のリスクが大きいので注意が必要です。
また、表面温度の測定という事は温かい物を持った直後は温度が上がり、冷たい物を持った直後には温度が下がるという事です。
これは実際に触っていなくても外気の温度差によって生まれる場合もあるので、測定場所を選ばないと言っても基本的には屋内で外気と内気の温度差の少ない場所になります。
測定時間は1回あたり0.3秒~0.5秒ほどのものが多いですが、これを1000人にやって1人1人記録していたら測定だけで何分かかるかわかりません。そして肝心な記録の管理もほとんどの場合人の手で行う必要があるので、徹底した管理体制が必要です。
このことから導入するのであれば【測定人数が少人数】という場合です。
小規模であれば管理もしやすく、取り扱う人数も限られてくるので例えば【個人経営の飲食店】や【小規模の事務所・オフィス】【建設現場】等には向いています。
また、【設置できるスペースが無い】【機器購入の予算が少ない】という場合には小型検温機器の導入をおすすめします。
サーマルカメラ搭載検温機器導入の際のポイント
サーマルカメラもメリットとデメリットから見ていきましょう。
メリット
・測定精度が高い。
・測定人数が一度に10人~最大30人程度の機器もある。
・検温結果の記録管理がしやすく、確実な記録保持が可能。
・検温時間が0.1秒~0.3秒と短く、集団検温可能なので時間的にロスが少ない。
・モニターによって第三者にも伝わるので、感染防止に繋がる。
・発熱者がいた場合に警報アラームとライトの点滅によって確認出来る。
・使用しない時にはデジタルサイネージとしての運用も可能。
・大型モニターからタブレットタイプまで幅広くあり、自社にあった機種が選べる。
デメリット
・小型検温機器よりも導入費用が掛かる。
・設置場所にはAC電源が必要不可欠となる場合が多い。
サーマルカメラの場合搭載機器が多いので、今回は弊社が取扱うDS-43S AI+という機種で説明します。こちらの機種は前述したほとんどの機能を兼ね備えているので、大手企業や病院、商業施設での導入実績が多い機種です。
こちらの機種の特徴としては【AIによる顔認証】を搭載しており、0.5秒で最大20人程度の高速検温が可能です。このAIの顔認証を導入する事で表面温度測定の際のデメリットでもあった【外的要因による温度変化(お湯や電気設備の発熱等)の検知】を防ぐことが可能となると共に、現在の主流である【マスクを着用したままでの検温】も可能にしているので接触感染や飛沫感染の防止にも繋がります。
自立式の43インチモニター付き検温器なので第三者からも他者の検温状況や体温が目視確認でき、発熱者を感知した際やマスク未着用者を感知した際には音声アラームとライトの点滅によって周囲に警告出来るので、複数人でも安心して検温出来ます。
そしてもう一つの大きな特徴はそのモニターが【デジタルサイネージ機能を搭載している】という所です。検温時には光学カメラの映像とサーマルカメラの温度変化状況を目視で確認でき、検温時以外には広告を打ち出すことが出来ます。
例えば商業施設や飲食店での導入の場合、今自分の店舗でオススメしている商品や企業のPRにも利用可能ですし、アパレル系の場合はコーディネート例などの打ち出しも出来ます。
また、AIでの自動検温の為、検温記録のデータ管理は全て専用のネットワーク上で管理されるので余計な人件費は掛かりません。この管理端末では発熱者検知の詳細データも全て記録・保持される仕組みになっています。この仕組みにより、仮に発熱者がいた場合に【どこで、いつ、誰が、どれくらいの頻度で測定しているか】が分かり、その後の行動もある程度確認しやすいという面においても企業にとっては安心して導入できる1つのメリットでしょう。
そんなサーマルカメラ搭載の検温機器ですが、設置箇所を確保する必要があるのである程度広いスペースが必要です。そういった【設置場所に制限がある】場合にはタブレットタイプのサーマルカメラ搭載検温機もあります。弊社では、小型タイプのKS-Compactという検温アラームシステムを取り扱っております。一度に計測可能な人数が少なくはなりますが、小規模であれば十分活躍してくれるのでおすすめです。
最後に
今回はサーマルカメラと小型計測機器について解説しました。
導入を検討されている場合注意して頂きたいのは【本当にその機器が自分の会社に合っている機器なのか?】という部分です。機器を使う場合には【利用想定人数】と【接触感染のリスク有無】【設置可能スペースの確保】の3点を考慮し、導入機器の選定をすることをおすすめします。
今回ご紹介をした2つのAI検温アラームシステム(DS-43S AI+とKS-Compact)は、アドレックスで取り扱っておりますので、導入をお考えの方がおりましたらお気軽にご相談くださいませ。
製品情報
- 本製品で測定されるものは体表温であり、一般的な体温計で計測される体温とは異なります。また計測によりウィルスの感染を判断するものではありません。
- 本製品によるスクリーニングで発熱の疑いが出た場合、体温計での再検温を推奨いたします。発熱が確認された場合別途、医師の判断を仰いでください。
- 本製品は、薬事認証を取得した医療機器ではありません。
- 本製品を用いた診断などの医療行為にはご利用頂けません。