2021.06.14 BLOG
手首で測る安価の体温測定器とAI検温機器の性能の違いなどをご紹介
昨今の新型コロナウィルスの感染拡大防止において、新しい生活様式の中でも一般的に広く当たり前に行われるようになったのが【検温】と【消毒】です。
今までは風邪をひいた時くらいにしか行われていなかった検温が毎朝当たり前になっています。企業に勤めていらっしゃる方であればその変化にももう慣れた頃でしょう。
そんな検温ですが、未だに【手首などで検温するタイプ】と【AIによる自動検知(AI検温アラームシステムなど)】の2種類に分かれているのはなぜでしょうか。今回はそんなタイプ別のメリット・デメリットを解説していきます。
手首などで検温するタイプ
こちらには主に
・ガンタイプで【おでこ】の体温を計測するもの
・置き型で【手首】の体温を計測するもの
が主流となりますが、この2つのメリットは【低価格での導入が可能】【誰でも使える】【管理者などがいらない】というメリットがあります。
まず、【低価格で導入が可能】という部分は、その殆どが数千円~一万円弱で購入できるというものです。検温器にそこまでの予算が割けない中小企業や支店、事務所などではこちらの導入がいいです。
【誰でも使える】という部分にも繋がってきますが、使用者を選ばない点でも使いやすいと思います。
【管理者などは不要】という点ですが、これはあくまでも【記録データ】についてです。
多くの簡易計測機器では計測データの記録・保持はできません。
あくまでも個人的に記録したり、企業内であったら直接記入かデータ入力を自分自身で行うというものです。
デメリットとしては【精度】【故意でない破損・故障が目立つ】【接触する】という3点でしょう。
【精度】とは、実際の体温と、外的要因等での温度差が正確に計測する事が出来ず、測った温度をそのまま表示してしまうというものです。
これは特にガンタイプも物に多い傾向で、実際に私の勤めている事務所でもこの事例が毎日のように起こっていました。
もちろん全てが悪いという訳ではありませんが、このガンタイプを導入したタイミングはコロナウィルス感染拡大直後という事で、そこまで正確な物が無かったことも原因として挙げられるでしょう。
また【故障・破損】については、機械なのでアタリとハズレがあるという事でしょう。
全ての機器が100%正確に動くのであればもっと高額ですし、修正などを行うプログラムが入っていてもいいように思います。
また、【接触する】というのも現状を考えると大きなデメリットです。
誰の触った物かわからない検温器を自分が使うとなれば、あまりいい気持ちはしませんし、正直怖いというのが本音でしょう。
以上が手首などを計測するタイプのメリットとデメリットになります。
手に入り易いものだからこそ、多くの企業で導入されている様ですが、そこには安全を意識したものや精度にこだわった物が多くはない印象です。
AIで検温するタイプ
AIで検温を行うタイプにも様々な物があり、多くの場合は
①、サーマルカメラで検温するもの
②、サーマルカメラ+モニターで検温を表示出来るもの(例 検温アラームシステムなど)
の2種類に分かれます。
このAIによる検温機器の場合のメリットは多く
①、完全非接触で検温が可能
②、一度に複数人での検温が可能、又は検温時間が0.3~0.5秒
③、精度が高く、±0.3~0.5℃くらいがベース
④、測定データの記録・管理が可能
⑤、仮に発熱者を検知した場合、周囲に警報やライトの点滅等で知らせることが可能
というように、AIならではなのしっかりとした基準や管理が出来ます。
これを詳しくみていきましょう。
まず、【完全非接触】という点は非常に重要です。機器に触れることが無いだけで接触感染の危険が軽減されますし、アルコールなどの消耗品の消耗頻度が減り余計な経費を掛けなくて済みます。
【一度に複数人の検温が可能、又は検温時間が0.3~0.5秒】という事も大きいでしょう。
前述した手首などの測定を行う場合、検温回数×人数×検温にかかる時間=検温完了ですので、多くの社員を抱える企業や人の行き来が多い商業施設等の場合は1人1人の検温を行っていては非常に時間が掛かります。その点、一度に複数人の検温が可能となれば特に検温の為に人件費を掛けなくて済みますし、時間の制限もありません。
【精度】に関しても、複数人で検温をしても1人1人の検温が高精度で行われるので誤差が少ないのが安心できます。もちろん全ての機種が複数人の検温可能なわけではありませんが、その分検温時間が短く、【目の前に立つだけ】という部分で計測の手間をかけないようにしているのも助かります。
現在展開されている非接触型のAI検温機では【マスク着用】での測定が基本となり、マスク未着用の場合、アラームが鳴る設計の機器もあるので自分自身の感染防止もそうですが【感染防止と感染させない為の】という部分が強くなっています。
そして【測定データの記録・管理】は、AI機器を導入していた方が感染者が出た場合に有効でしょう。
従来ですといちいち記録を自分自身で行わなければならず、記入や記録のミス、漏れや忘れ、計測時間、が不明。さらに測定する機器や外的要因でも測定温度に差が出る等という事象が多い事から、いざ行動履歴を確認してもあまり参考にならないものも多くありました。
ですが、AIによる管理・記録の為、【いつ・どこで・誰が・どの検査機器で・検温結果】がはっきりと残るのも企業側としては安心できますし、さらなる感染拡大を防止する役割も果たします。
最後に【発熱者検知】の場合です。
安価な機器の最も悪い所は、【検知した温度を確認するのが本人のみ】という部分です。
いくら発熱していても仕事の都合上出勤しなければいけなかったりするケースも多く、発熱者を目視で確認する事は難しいと思われます。あくまでも【本人発信】な場合が多いのが安価なAI非導入の機器です。
この際にもAIを導入している場合、発熱者を検知すると警報と光の点滅・音声などで周囲に知らせることが出来ますので、感染拡大防止に繋がるのではないでしょうか。
中には『見せしめみたいで嫌だ』という方もいらっしゃると思いますが、自身の突発的感情で他者を感染させる可能性がある以上、上記の対応は必要だと考えます。
次にデメリットを見てみましょう。大きく2つのデメリットがあります。それは
①、価格が数万円~数百万円と高額になるものが多い
②、設置場所を選ぶ可能性が高い
この2点はAIというものを取り扱う以上、切っても切れないデメリットです。
まず、価格は安価な物に比べると高額になります。もちろんその性能は申し分ないものが殆どですが、あまり予算を割けない企業には難しいでしょう。
そして設置場所はほとんどの場合【屋内または屋根のある場所】に限られます。
また、電源を用いる点も設置場所を制限します。
実際にAI等の機器導入を検討する際には設置したい機器がモニター付きの場合、大きい物が多いので、設置場所をかなり制限しますし、そもそも配線工事などの余計な費用が掛かる場合もあります。
そこで導入が進められているのが【サイネージ型非接触検温機器】や【コンパクト設計検温機器】です。
サイネージ型とは、検温時はカメラからの映像を流す役割を果たし、検温時以外は好きな広告を流しておくことが可能な機器です。
これにより広告宣伝も兼ねることが可能で、コロナ終息後にも十分活躍してくれるという長期的に見てもコストパフォーマンスがいい機器です。
そしてコンパクト設計な機器とは、約1m50cmの高さにタブレット状のモニターとその上部にサーマルカメラが一緒になってついているものです。
付属している物にはモニター下に消毒液等も付随しているので、これ1台で場所の制限自体が少なくなる印象です。
こちらの2つの機器の多くは一般的なコンセントで電源供給が可能で、ビル内の飲食店や中小企業の従業員出入り口、病院等で採用されるケースが多く、【スペースを取らない】+【工事がいらない】+【AI機器の中でも高性能で低価格】という事が導入する際に大きな軸になってきています。それに付随して【精度】や【測定時間】があるのでしょう。
以上がAIによる検温のメリットとデメリットになります。
最後に
今回は2極化している検温機器のそれぞれを解説しましたが、AIによる検温の方がメリットは多い印象です。
また、設置場所も少しずつではありますが小型の検温機も増加してきましたので、今後は今以上に手に届きやすい価格設定の機器が生産可能かどうか?ではないでしょうか。
価格の壁さえ超えることが出来れば、安価な検温器を複数使うよりも、AIによる検温機器を1台導入したほうがランニングコストとしてもデータ管理の観点から見ても継続して使用できると思われます。
アドレックスでは、検温アラームシステム機器の導入実績が多数ございます。また、最新機器のAI検温アラームシステム DS-43S AI+も取り扱っております。ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。
製品情報
- 本製品で測定されるものは体表温であり、一般的な体温計で計測される体温とは異なります。また計測によりウィルスの感染を判断するものではありません。
- 本製品によるスクリーニングで発熱の疑いが出た場合、体温計での再検温を推奨いたします。発熱が確認された場合別途、医師の判断を仰いでください。
- 本製品は、薬事認証を取得した医療機器ではありません。
- 本製品を用いた診断などの医療行為にはご利用頂けません。